『こころと人生』―子供は全体性を保っている―
子供とは つまり良いところも悪いところも 自分の人格として統一している存在である。だから なんとはなしに偏りが生じた家族関係に違和感を覚える。そして 意図せずとも問題解決に向わせようとし 力を発揮する。そんなことを 見てきた。さて 著者のハヤオTは 子供について 以下のようにも述べている。
泣く子を叱ると、泣きやむどころか、もっと泣く。どうにも手におえない。また、今はボタン一つで月まで行く。ところが、どんなボタンを押しても、子供が学校へ行かないと言う事は動かせない。人間のあらゆる自然科学の知識を使っても動かしがたいものが、子どもである。この感じを「私の力で動かせないもの、私よりももっと強いもの、私よりももっとすごいものと考えると、神や仏の世界にだんだんと近づいていく。子どもは別に神でも仏ではないが、子供の心の中に生きているものは、そういうところに近づいていく、としている。
神様って 慈悲ぶかい 善だけの存在じゃないのか!?と思っているあーた。でも 例えばユングは、『ヨブへの答え』(1952)において、神にも人と同じく、「悪」の要素があると述べている。神は、一般に思われているような、救いの象徴、善の象徴としてのみの姿とは異なり、善悪双方の要素をあわせ持つ全体であることを強調した(山中 45)。旧約聖書において、神の最初の名前は「エローヒム」という複数形の名詞で呼ばれており、神なるものは男性的・女性的なもの両方を包含するという事実が認識されていた。このことは、創造主が一方的に慈悲深いだけでなく、あらゆる対立物を体現する者であることを示している(サリー・ニコルズ『ユングとタロット―元型の旅』秋山さと子 若山隆良訳。新思索社、2001、P532)。 河合隼雄『こころと人生』つづく
<おまけ>
物事には 必ず対立するものがあって全体を成す という考えは ハワイの伝承にもある。
タロットの図柄には ユング心理学における「元型」のモチーフがたくさんある。
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